― フリーランスとして農業を形にするまで ―
「農業に興味はあるけれど、どうやって始めればいいのか分からない」
「未経験・非農家でも、本当に農業はできるのだろうか」
私自身、会社を辞めてセミリタイアを意識し始めた頃、まさに同じ悩みを抱えていました。
特に、農業を“仕事”として成り立たせる方法がまったく想像できず、不安の連続でした。
ネットで調べると、
- 就農して大規模にやる農業
- 研修や補助金を活用する本格的な農業
といった情報が多く、
「もっと小さく、現実的に始める選択肢はないのか?」
と感じていました。
また、私の場合はもう一つ現実的な事情がありました。
それが、これから個人事業主として働いていく上で、まず就労条件を満たす必要があったという点です。
我が家には子どもがおり、保育園を利用しています。
保育園を継続利用するためには「就労していること」を示す必要があり、
趣味や準備段階ではなく、仕事として説明できる活動が求められていました。
ただし、保育園に預けること自体が目的だったわけではありません。
将来的には、農業に限らず、個人で複数の仕事を組み合わせて働くことを考えていました。
そのための第一歩として、
まずは就労実態を説明できる仕事を一つ作る必要があり、
その入口として選んだのが農業でした。
この記事では、
農業未経験・非農家の私が、フリーランスとして農業を始めるまでに実際に試行錯誤した過程を正直に書いています。
- 農業を始める前に検討した選択肢
- なぜ市民農園や貸農園ではダメだったのか
- 農業委員会や地元農家とのリアルなやり取り
セミリタイアして農業を考えている方にとって、一つの現実的な事例になれば幸いです。
会社を辞めた直後にやったこと|まずは収入ゼロを避ける
会社を辞めたあと、すぐに農業で稼げるわけではありません。
まずは生活のために収入を得ることを最優先にしました。
最初に取り組んだのは、家にある不用品をメルカリで売ることです。
仕事が決まるまでの間、思いつくものはとにかく出品しました。
ありがたいことに、出品したほとんどの商品が売れ、
「収入は一つにこだわらなくていい」
という感覚を、この時に強く持つようになりました。
フリーランスとして農業を始めるまで
以前の記事で、なぜ個人事業主として農業を選んだのかについて書きました。
今回はその続きとして、
「農業を始めるまでに何を考え、何をやめ、どう形にしたのか」
をまとめます。
農業アルバイトを検討して感じたこと
農業未経験の自分にとって、
農業アルバイトは「学びながら稼げる」魅力的な選択肢に見えました。
しかし実際に探してみると、
- 通勤に1時間近くかかる
- 短期募集が中心
といった条件が多く、生活との両立を考えると現実的ではありませんでした。
また、将来的に複数の仕事を組み合わせて働くことを考えると、
時間や場所の制約が大きい働き方は避けたいと感じました。
市民農園・貸農園を調べて分かった現実と可能性
次に検討したのが、市民農園や貸農園です。
私の住んでいる地域では、
- 市民農園は毎年抽選
- 競争率が高い
- 利用期限がある
という状況でした。
ただし、調べていく中で分かったのは、
地域によっては市民農園の競争率がそこまで激しくないケースもあるということです。
また、個人で運営している貸農園の中には、期限が設けられていないところもありました。
重要なのは、
- 商用利用ができないケースが多い
- 収益化が目的だと制約が大きい
という点です。 逆に言えば、
自給自足だけが目的であれば、農業のハードルはかなり下がるとも感じました。
「まずは家庭菜園レベルで始めたい」という人にとっては、
十分現実的な選択肢だと思います。
私が目指したのは「収益化前提のプチ農業」
私がやりたかったのは、
就農して大規模にやる農業ではありません。
- 小規模
- 直売中心
- 基本は自家消費
いわゆる「プチ農業」です。
ただし、これから個人事業主として活動していく上で、
仕事として成立していることを示す必要がありました。
そのため、
商用利用ができない市民農園や貸農園では目的に合わないと判断しました。
農業委員会に相談して感じたハードル
地元の農業委員会にも相談しましたが、
「農家でないと畑は借りられない」と言われました。
町を歩くと、空き畑や耕作放棄地はたくさんあります。
それでも、やりたい人が簡単に始められるわけではないという現実を知りました。
家庭菜園レベルであれば、
畑の持ち主と直接交渉するケースも珍しくないようですが、
農地法第3条により、農業委員会への届け出・許可は原則必要になります。
お茶農家の友人に相談して一気に進展
農業委員会から
「事前に畑の持ち主と話がついていれば比較的進みやすい」と教えて頂きました。
そこで地元でお茶農家をしている友人に相談しました。
すると、なんとありがたいことに、
「ちょうど空いている農地があって、なにか野菜を育てたいと思っていた。一緒にやってみる?」
と言ってもらえました。
しかも、お茶の仕事も一部だけ、一緒にさせてもらえることになりました。
ここから一気に道が開けました。
委託という形で農業をスタート
私は農家ではないため、友人と一緒に農業をすることになりました。
仕事の内容は大きく分けて、
- お茶農家の仕事(作業の手伝い)
- 畑での農作業(畑の維持、管理、作物の栽培など)
の2つです。
私は個人事業主として、農業の委託業務を受ける形を取りました。
- 業務委託契約を締結
- 農業委員会にも事前相談
- 問題なしとの回答
収穫物は現物報酬として受け取り、
所有権を自分に移すことで販売も可能にしています。
農業委員会の対応は地域差が大きい
今回感じたのは、農業委員会の対応にはかなりの地域差があるということです。
私の住む市では厳しい対応でしたが、
別の市では「私が考えるプチ農業でも経験を積めば将来畑を借りるときに必ずプラスになる」と応援してもらえました。
YouTubeなどを見ると、
比較的スムーズに畑を借りている人も多く見かけます。
もし断られても、別の市や別の担当者に相談するのも一つの手だと思います。
まとめ|農業は「目的次第」で働き方の土台になり得る
以上が、
未経験・非農家からフリーランスとして農業を始めるまでの実体験です。
農業は一見ハードルが高く見えますが、
- 自給自足目的
- 小規模
- 収益化前提
など、目的によって難易度は大きく変わります。
私にとって農業は、
これから個人事業主としてさまざまな仕事をしていくための、
最初の「仕事の軸」「就労の土台」でした。
セミリタイアして農業を一つの仕事に考えている方にとって、
この体験が現実的な判断材料になれば幸いです。



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